
1999年、
この頃から、ストリート活動のメニューに
作者の描く「肖像画」の原型が誕生します。
きっかけは、ある日ストリートの中で、
「5万円出すから、大きいのを描いてくれないか」
そんな、お客様の一言からでした。
作者はリアルで大きく、
すなわち「肖像画を描くのだ」という意気込みで
お受けしました。
初期は肖像画という既存のイメージを追って
油彩で硬めに描いていたものです。
このような「豪華版」のお話は
ストリートの中で時折いただきました。
作者も少しずつ手法を変え、
油彩から得意なアクリルにチェンジしました。
アクリルで描く肖像画、というのは
あまりないでしょうが、
アクリルで描いたほうが色彩がやわらかく、
美肌になり、明るさ、楽しさがでます。
そして受注回数を重ねていくうち、
アクリルでこのように明るく描いたもののほうが
より喜ばれることに気付きます。
このアクリルで描くという明るい肖像画は
作者の本来の活動形態に合っていました。
「似顔絵」で培った明るさ、楽しさ、
お祭りの雰囲気、
人間関係がそこにちゃんとあるような肖像画。
遊び心。
そういうものを背景に、
内容は丁寧に緻密に、一枚絵としての
クオリティーを考え、ストーリーを考え、
描いていく肖像画です。
「作者ならではの肖像画」
すなわちストリートならではの肖像画、
という方向が決まってからというもの、
「肖像画メニュー」は定着し、
スタンダードメニューになっていきました。
肖像画は店頭でも親しまれ、次々ご注文を
いただくようになっていきました。
そしてご注文をいただくたびに、
それぞれのお客様に
それぞれのかけがえのないエピソードが
あるということに気付かされます。
肖像画というのは
人間関係、人間ドラマ、その投影であり、
そして気持ちや心によってご注文いただき、
それぞれの場所に運ばれていきます。
ストリート活動をしていてこういう側面を
見ることができたので、
人物画を生涯をかけて描いていこうと
決めている作者にとっては
貴重な経験であり財産だったように思います。
本当に、ストリートの経験が原点。
またこの時期、西暦2000年という
歴史的にも貴重な瞬間があったので、
その記念にと「似顔絵」、「肖像画」とも
本当にたくさんのご注文をいただきました。
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